2017/04/24

I Tsuredaso music to town!

SONYのウォークマンが発売されたのが1979年。
「音楽を街へ連れ出そう」がコンセプトの画期的な商品だった。
FMラジオの音楽番組を録音するエアチェックや、レンタルレコード屋が盛況を極め始めたカセットテープの時代だ。

僕もご多分に洩れず入手したが、使ったのは最初の数週間。
街でステレオ音源が聴ける!という驚きも、たったそれだけの刺激でしかなかったのだ。

ミュージシャンらしくないが、基本的に僕は外で音楽を聴かない。
イヤホンを耳に街を歩く事をしないし、車移動でさえカースレテオを使わない事が多い。
そう、音楽よりも街の音が好きなのだ。

街には様々な音が溢れている。
人の話し声、自転車のブレーキ音、車のクラクション、若い女性たちの嬌声。
ビルの谷間を吹き抜けていく風の音、その風にざわめく街路樹の葉。
僕はそんな雑多な音をこよなく愛している。


2017/04/18

ONIHEI

アニメの「鬼平犯科帳」を観てみた。
これは僕の知っている鬼平ではない。
が、悪くはない。

賛否両論はあるだろうと思う。
正月2日に将軍にお目見出来る立場の旗本である平蔵が月代もないなんてどうよ!って話なのだが、そこはそれ、新しい解釈があってもいいのかなと思うのだ。

僕が知っている鬼平は、コミックならさいとうたかお。
時代劇ならやはり中村吉右衛門だ。
特に吉右衛門の鬼平は原作の鬼平を最も具現化出来ているような気がする。

だがこのアニメの鬼平が原作のイメージからは程遠いのは前述のとおり。
まず見た目が若い。
髪はロン毛のくせ毛。
細身で華奢な体つき。
一見しただけでは「誰だよ!」となるのは当然。

しかしやがてそれも気にならなくなってくる。
不思議と違和感なく観られるのだ。

ただひとつ不満なのが、「食」に関する解釈が殆どないこと。
池波文学は「食」が重要なファクターとなっているのは周知のとおり。
池波氏ご自身も、「僕は食で季節感を出す」と折に付け書かれているが、このアニメではそういうシーンは殆ど無い。
時に「五鉄」で軍鶏鍋を突付くシーンがある程度か。

その分、違うアプローチで季節感を出しているのはお見事。
鬼平と相模の彦十が五鉄で酒を酌み交わすシーン。
傍らの角行灯の中には一匹の夏の蛾が入り込んでいる。
彦十の背に映るその蛾の影が、決して嬉しくはないその夜のふたりの会話を見事に表現していた。

そしてもうひとつ特筆すべきは江戸の街のその風景描写だ。
これはため息が出るほど美しい。
長屋の風景では長屋の真ん中を通る、生活排水を流す溝さえちゃんと描かれていたのには驚かされた。

アニメ版の鬼平。
何度も言うが、決して悪くはない。

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2017/04/10

Rainy Day

雨は優しい。
憎しみや怒りも
しずかに静かに包み込んでくれる。

醜い嫉妬心や羨望
そんなものさえも包み込む。

ひとり
雨音を聴いていると

「大丈夫だよ」

そう言ってくれているような気がする。


2017/04/02

Songs

深夜、BSデジタルの民放で「音楽のある風景」という通販番組をオンエアしている。

何を隠そう、実は僕はこの通販番組が好きなのだ。

所謂オムニバスのCD-BOXとかDVD-BOXの通販なのだが
その内容は意外に幅広い。
フォークからニューミュージック、クラシックから洋楽、或いはヒーリング系やRock系。

特に「あの頃系」の企画モノはバックに当時の映像が流れるので、見ていて思わずタイムスリップしそうになってしまう。
深夜、アルコールがすでに頭に廻りつつある僕は至極単純なのだ。

この手のオムニバスアルバムを聞くといつも思うのだが、俗にいう「名曲」というヤツはいつまでたっても「名曲」なんだなぁ、という事。


話が少し逸れるが、うちの義母が良く「最近の音楽は良く分からん」とぼやく。
曰く「歌詞が何を言ってるのか分からない、取敢えず音がでかい、やたら大声で叫ぶ・・・等々」
そんな時、僕はいつも彼女にこう言う。
「でもね、ばあちゃん。ばあちゃんが若い頃好きで聴いてたルイ・アームストロング。周りの大人はみんな眉を顰めてただろ。それと一緒だよ」

そう、いつの時代も「それぞれの世代」に「それぞれの音楽」「それぞれの名曲」があるのだ。