2019/01/03

Bohemian Rhapsody

映画、「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきた。



大体に於いて僕は天の邪鬼な方なので、誰もが良いという映画は斜に構えて観てしまう癖ががある。
悪しき例の「ラ・ラ・ランド」のように、この映画も実は言うほど大した事はないんじゃないかとあまり期待せずに出かけたのだ。

が、その予想は見事に裏切られる事となる。

まず本編前の"20th Century Fox"のロゴ。
いつもは無音だが、そこにQueen風の4声コーラスとブライアン・メイらしいギターの音が入る。
もうそれだけで期待値はMaxではないか。

オープニングは、Live Aidのメインステージに向かうフレディ・マーキュリーの背中から。
そこから一気にエンディングまで見入ってしまった。
デビュー前にパブに向かうシーンで、CREAMの「Sunshine of Your Love」のイントロが一瞬挿入されるシーンも胸を熱くする。

そしてラストのライブシーン。
これはもう圧巻だ。
一曲目のBohemian Rhapsodyから僕は泣いていた。

フレディ・マーキュリーの栄光と挫折を描いたこの映画。
その根底にあるものはコール&レスポンス(呼応)だと僕は思う。

「エーオー」ってやつね。

フレディが何かを呼びかけ、そして誰かが応える。あるいはその逆。
 その場面が何度も登場する。
それは上手く呼応する時もあればそうでない時、関係が破滅していく予感をも描いていた。
例えば元恋人のメアリーと別居し、窓越しに電話でのやり取りと灯りでのコンタクト。
その直前に新居に呼んだロジャーとのシーン。

誕生日会で名前を変えたフレディが 電話を取った妹の呼びかけに応える場面がある。
「フレディ・マーキュリー、電話よ」

そこからQueenの伝説は始まった。
そして数多の呼応と挫折を繰り返しながら、ラストの大観衆とのコール&レスポンスへと向かうのだ。
AIDSの診療に訪れた病院の廊下で出会った患者の少年との小さなコール&レスポンス。
あれこそがフレディの背中を押したのだと僕は思う。


いい映画だった。


実は1975年に武道館で Queenを僕は見ている。
この映画で言えば、アメリカツアーが決まる直前の話だ。
「キラークイーン」はヒットしていたが、どちらかと言えばベイ・シティ・ローラーズと同等の扱いをされていた彼らに僕はさほど期待せずに武道館へ出かけた。

が、その予感は見事に裏切られた。
素晴らしいパフォーマンスと圧倒的な存在感に僕の胸は高鳴った。

今回、その時の気持ちをもう一度味わった気分だ。


I was born love to you / Queen

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