雨降りの月曜日の朝に、彼の歌声を聴くと、必ず仕事に行きたくなくなる。
それほどに彼の声は怠惰に満ちていた。
80年代が、青い空と、海と、サーフボードに満ち満ちていた時、その裏面に彼がいつもいた。
薄暗いショットバーに、彼の歌声とペットの音が良く似合った。
彼の破滅的な生き方が、妙に軽薄で明るすぎる80年代の空気になぜか似合っていた。
1988年5月13日、チェットはオランダアムステルダムのホテルの窓から空へと飛び立つ。
その日以来、僕を仕事に行かせなくなる程のミュージシャンは現れていない。
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